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ピロシキとは?
世界には日本の和食のように各国で育まれた食文化が存在し、独自に発展したものや他国の文化や食材を取り込んだものなどもあります。和食(日本料理)は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されたことで世界にも広く知られ、海外には高級日本料理店なども点在しているようです。
本記事でご紹介する「ピロシキ」をはじめ、世界には多種多様な食文化・グルメがあり、ビジネスや観光で訪れた際にその国や地域の伝統料理を味わうこともあるでしょう。アイルランドにはシンプルな味付けで飾らない素朴な料理が揃い、「アイリッシュシチュー」なども定番グルメです。
ハンガリーは外国の影響を受けながらも独創的に形成された食文化が特徴的で、サワークリームが多用される点も他国にはあまり見られないポイントでしょう。ハンガリーの伝統的な料理にはチキンとパプリカを煮込んだ「パプリカーシュ・チルケ」があります。
日本人にも馴染み深く、舌に合いやすい海外グルメの一つは東南アジア料理かもしれません。タイ料理は辛味や酸味、甘味や塩味、香りが絶妙に混ざり合い、ゆで鶏のせ炊き込みごはんの「カオ・マン・ガイ」や食欲のない時にもおすすめな春雨サラダ「ヤム・ウンセン」などがあります。
日本にはハワイアンカフェやアメリカンダイナー、韓国料理専門店なども多く点在していますが、アルゼンチンやカンボジアなどの珍しい料理を提供する店もオープンしています。今回は韓国料理ほど定番ではないもののおいしいと評判のロシア料理 ピロシキについてご紹介しましょう。
パンの中に具材がたっぷり入ったロシア発祥のパン
ピロシキは日本人でも耳にしたことがあるであろうロシア料理の一つです。ロシアには素朴で温かみのある料理が多く、中国やモンゴルなど近隣諸国及びソ連時代の共和国の多様な地域から影響を受けているといいます。素朴なロシア料理はロシア特有の厳しい気候条件に理由があるようです。
国土の広いロシアの気候には地域差があり、大陸性気候で、日中と日没後、また夏と冬の気温差が大きいことが特徴です。ピロシキが有名なロシアにも四季がありますが日本とは違い、短くて涼しい夏と長くて寒い冬、期間が短い春と秋になります。
ロシアでは厳しい気候を乗り切るために素朴な保存食が欠かせず、季節に合わせて長期保存できるものを作るようです。
ロシア料理が素朴といわれる所以には国教であったロシア正教による厳しい食事規制の習慣もあり、春の復活祭までの40日間の断食をはじめ、肉や牛乳を取らない週を設けるなど200日近くもの食事規制の期間がありました。そのため、精進素材の家庭料理の種類が増え、発達したようです。
ロシアではピロシキの他に、「シチー」と呼ばれるスープや「カーシャ」の穀物粥といった煮込み料理が多く、サワーミルクやカッテージチーズなどの乳製品を使用したグルメも親しまれています。また、寒さの厳しい地域では油脂を料理に使うため、酸味を加える工夫もみられるようです。
日本人にもおすすめのおいしいピロシキは東欧料理の惣菜パンです。ピロシキはロシアのみならず、ウクライナやベラルーシでも好まれているといいます。惣菜パンのピロシキは小麦粉を練った生地に様々な具材を包み、さらにオーブンで焼いたり、油で揚げたりして作るおすすめ料理です。
ピロシキのサイズは幅6~13cmあり、生地は鶏卵とバターを使ったパン生地や折りパイ生地、練りパイ生地など多様です。また、ピロシキを食べるタイミングは小腹が空いた時のおやつやボルシチなどのスープ系に添えたり、お茶の時間に食べたりもするようです。
ピロシキの歴史
日本でも手に入るパンのピロシキは、本場ロシアでは日本のおにぎりの様にポピュラーな食べ物の一つであり、ファストフード店でも販売されています。ピロシキはロシア皇帝ピョートル1世の時代から街中で売られている一般的な食べ物で、昔から地元民に親しまれているパンです。
ロシアにはオーブンの天板いっぱいに小麦生地を敷き、具を挟んで焼いた料理の「ピロギ(ピローグ)」があります。ピロシキは約40cm四方の大ぶりなピロギを容易に持ち運んだり、食べたりできるように小さくしたパンで、ロシアの古典文学にも登場する伝統的な料理に数えられます。
ロシアのピロシキが日本へ伝来したのは戦後といわれ、1960年代には関西の「パルナス製菓」のピロシキ(商品名パルピロ)が人気を集めていたようです。ピロシキが有名なパルナス製菓は1947年に神戸で創業しましたが、後に大阪市北区や大阪府豊中市に本社を構えました。
パルナス製菓のピロシキは旧ソ連最大の国営菓子メーカー「ボルシェビーク・モスクワ製菓工場」の職人から技術指導を受けて生まれたため、日本に住むロシア人からは本場の味でおいしいと称賛されていたといいます。パルナス製菓のピロシキはロシア人や店舗の周辺住民も食したようです。
ピロシキが日本で初めて提供されたのは昭和20年代のことで、当時渋谷に所在した「ロゴスキー」というロシア料理店だといわれています。
ピロシキが日本でも味わえるようになったのは、ロゴスキーの店主が戦時中に満州のロシア人街に住み、何度が口にした本場のロシア料理の味を日本でも再現したいと思ったことがきっかけだといいます。ピロシキは日本人の舌に合うよう改良され、具材などに工夫を凝らしたようです。
揚げピロシキと焼きピロシキの違い
ピロシキは食べられている地域によって製法が異なります。スラヴ系諸国や北欧、中央アジアなどでは揚げるピロシキよりも焼くピロシキのものが一般的で、ロシアに近い北海道のロシア料理店ではロシアと同じく焼いて作るタイプが食べられているといいます。
ロシアでは焼くピロシキが昔からの主流ではありますが、現在は揚げて作る場合もあります。一方で日本のピロシキは油で揚げて作る場合が多く、カレーパンのような仕上がりがオーソドックスです。因みに揚げパンに代表される日本のカレーパンはピロシキに着想を得たともいわれています。
揚げて作ったピロシキは外側がカリッとした食感で、内側はもちもちしていておいしいと評判です。揚げパンのピロシキに比べて焼いたピロシキは外側がカリッとしながらもふわふわした食感もあり、好みによって揚げと焼きで作り分けも楽しめるでしょう。
ピロシキの主な具材
ピロシキには揚げと焼きの製法の違いがありますが、本場の焼きピロシキの具材は畜肉やサケなどの魚肉、ゆで卵やフレッシュチーズ、ジャガイモやキャベツなど様々な食材を使っています。ピロシキは使用する具材によって惣菜のみならず、おやつとしても美味しく食べられる料理です。
間食として食べる場合には具材にジャムや煮た果物を詰めて甘く仕上げ、日本の一般的な揚げピロシキとは違った食べ方もできます。合わせる具材には特にルールを設けておらず、家庭や好みによって変えることができ、様々なおいしい食べ方ができるでしょう。
日本の揚げピロシキは日本人の口に合うように試行錯誤され、具材に春雨を使ったものが知られています。主な食材は春雨をはじめ、挽肉やゆで卵、玉ねぎなどを炒めたものです。春雨を採用した理由には具材から出るおいしいスープを吸い、素材のうまみを味わうためといわれています。
ピロシキがおいしい人気レストラン
2021年9月時点での食べログサイトによれば、日本には89軒ものロシア料理を提供する店があるようです。今回はこだわりのピロシキを味わえる人気レストランを3軒ピックアップしてみました。
スンガリー 新宿東口本店
おいしいピロシキを作るおすすめレストランの一つは「スンガリー 新宿東口本店」で、西武新宿駅から歩いて1~2分の場所にあります。スンガリー 新宿東口本店は1957年創業の老舗店であり、人気メニューにはピロシキの他に、ビーフストロガノフやボルシチ、シュクメルリなどがあります。
スンガリー 新宿東口本店の店内はモスクワ近郊の古い民家をイメージして作られ、温かみのある雰囲気を大切にしているレストランのようです。提供メニューは最新のロシア料理やモスクワ料理、さらにジョージア料理も並び、単品のみならず、コース料理もあります。
おすすめレストランのスンガリー 新宿東口本店では焼きと揚げの2種類のピロシキを用意しています。なお、スンガリー 新宿東口本店はコースにもピロシキを含みますが、来店当日に売り切れる可能性があるため、予約時に料理のチョイス指定をおすすめしています。
スンガリー 新宿東口本店のピロシキは挽肉と玉ねぎ、卵の入ったロシア式焼きパンです。焼きピロシキは皮が薄くパリッとした食感でたくさん食べられると評判で、揚げたものはサクッとした生地で単体はもちろん、ボルシチに浸して食べてもおいしいといいます。
名称 | スンガリー 新宿東口本店 |
住所 | 東京都新宿区歌舞伎町2-45-6 千代田ビル B1F |
Russian Restaurant ROGOVSKI 銀座
「Russian Restaurant ROGOVSKI 銀座」は銀座駅A2番出口そばに構えるおすすめ店で、ロシア調度品に囲まれた異国情緒漂う雰囲気の内装です。店内ではピロシキやビーフストロガノフはもちろん、ロシア各地の郷土料理やウズベキスタンなど旧ソ連の料理まで揃えています。
Russian Restaurant ROGOVSKI 銀座は2021年に創業70周年を迎えた老舗のおすすめレストランです。特に注文されているのはランチコース「カチューシャ」で、肉・野菜・ゆで卵と挽肉の3種類のピロシキから好きなものを選べます。おいしいと評判のピロシキは手作りです。
肉ピロシキは創業以来の不動人気を誇るメニューで、ジューシーな牛豚合挽き肉と甘みのあるソテーオニオンを使い、肉汁の旨味を春雨に閉じ込めた一品です。野菜ピロシキはキャベツやにんじん、マッシュルームのソテーにサワークリームを和えた具材を使っています。
ゆで卵と挽肉のピロシキは肉ピロシキと同様の具材にゆで卵を細かくして混ぜ込んだもので、マイルドな味わいに仕上げています。
名称 | Russian Restaurant ROGOVSKI 銀座 |
住所 | 東京都中央区銀座5-7-10 イグジットメルサ 7F |
スメターナ
「スメターナ」は国立駅南口から歩いて約2分のおすすめロシア料理レストランです。スメターナのシェフはスンガリーで修業を重ね、さらにフレンチも経験しており、伝統的なロシア家庭料理を大切にしながらも日本人の好みに寄り添うアレンジに仕立てています。
スメターナで提供しているピロシキは丸いフォルムが可愛らしく、味付けは適度な濃さでおいしいと評判です。スメターナはきのこのクリーム煮入りつぼ焼「グリビー」やロールキャベツのトマトクリームソース「ガルブッツイ」なども人気で、ロシア料理の知識が無くても楽しめるでしょう。
名称 | スメターナ |
住所 | 東京都国立市東1-7-5 弥生ビルB1F |
ピロシキがおいしいおすすめパン屋
ピロシキはロシア料理の専門店だけでなく、パン屋で買えることもあります。こちらではピロシキも評判のおいしい一押しパン屋をご紹介します。
小麦と酵母 濱田家
ピロシキもおいしいおすすめパン屋は「小麦と酵母 濱田家」で、三軒茶屋駅から徒歩4~5分の場所にあります。小麦と酵母 濱田家は2000年11月にオープンした地域密着型のベーカリーで、小麦や酵母などの素材を活かしたパンを目指し、和風惣菜パンなどにもこだわっています。
小麦と酵母 濱田家で好評を得ているメニューの一つは「和風の根菜ピロシキ」です。具材はレンコンなどの根菜と人参や椎茸、さらに鶏肉などの和をイメージさせる素材を採用し、しっとりした生地にシャキシャキの野菜が合うでしょう。生姜の風味がアクセントのパンです。
名称 | 小麦と酵母 濱田家 三軒茶屋本店 |
住所 | 東京都世田谷区三軒茶屋2-17-11 グレイス三軒茶屋102 |
三鷹丸十ベーカリー
ピロシキもおすすめのパン屋は三鷹駅北口から徒歩10~12分の「三鷹丸十ベーカリー」です。店に並ぶパンは米・米麹の天然酵母を使用し、早朝から仕込んで、時間を掛けて焼き上げています。三鷹丸十ベーカリーのピロシキは揚げるタイプで、具材は挽肉や玉ねぎ、玉子と春雨です。
三鷹丸十ベーカリーは神谷町で1919年に創業した歴史ある店で、昭和20年代の戦後に現在の地に移転しています。ピロシキの他にはオリジナリティ溢れるパンや昔懐かしい菓子パン、手作りの惣菜パンなどが並びます。
名称 | 三鷹丸十ベーカリー |
住所 | 東京都武蔵野市西久保1-18-12 |
ピロシキがおいしい人気店へ行ってみよう!
日本で主に食べられているピロシキは揚げて作ったものですが、発祥の地であるロシアや北海道の一部では焼いたピロシキがオーソドックスのようです。日本にもおいしいピロシキを提供するおしゃれなレストランや老舗ベーカリーがあります。
※ご紹介した商品やサービスは地域や店舗、季節、販売期間等によって取り扱いがない場合や、価格が異なることがあります。