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うな重とうな丼の歴史
うな重やうな丼は高タンパクで栄養価が高い食べ物として知られています。ふっくらと蒲焼きにされた鰻が乗っているうな重やうな丼は高級感があり、満足度も高いものです。最近では値段が高くなり特別な時の食べ物になり残念に思っておられる方も少なくないでしょう。
夏と言えば鰻というくらい昔から日本ではポピュラーな食べ物です。鰻の蒲焼きの香ばしい匂いが漂ってくると幸せな気分になります。最近では鰻専門店だけでなくてもうな丼やうな重を提供しているお店が増えました。それでもうな重やうな丼は特別な時のご褒美ご飯というイメージです。
しかしうな丼やうな重の歴史を振り返ると昔は庶民の食べ物として親しまれていたことが分かります。うな重やうな丼の歴史を調べると大変興味深い点が分かります。また作り方の違いにも注目するなら、どのようないきさつでうな重とうな丼が生まれたのかも分かるでしょう。
ここではうな重とうな丼が生まれた歴史を振り返り、その違いを詳しく解説します。また製法の違いや部位の違いなどもご説明します。うな丼やうな重を食べたいと思った時にきっとその違いに目を向けることができる豆知識です。是非参考にしてください。
最初に始まったのはうな丼
まず注目したい点は日本人が鰻を食するようになった歴史は大変古いものであるという点です。うな丼やうな重という形で食べるようになったのは江戸時代と言われています。しかし日本ではさらに古くから鰻を食べていたということが分かっています。
うな丼やうな重という形になった由来は諸説ありますが、日本人が鰻を食べるようになったのは縄文時代にまでさかのぼります。縄文時代に作られたとされる貝塚から、食べた形跡のある骨が出土しています。さらに万葉集にも鰻が登場する歌が残されています。
さらに室町時代には鰻を筒切りにして串にさして焼く蒲焼きが作られていました。江戸時代に入ると各地で干拓が進み湿地が増えたことにより鰻の食文化が定着しました。江戸時代にはうな丼の食文化が一般的になり労働者の食べ物として親しまれるようになりました。
実は江戸時代に食べられていたのはうな丼なのです。そのころにはまだうな重という形にはなっていなかったのは興味深いことです。江戸時代後期の江戸の町に800軒もの鰻屋さんが軒を連ね番付表まで存在したというのですから、うな丼がいかに庶民に親しまれたものだったかが分かります。
それではうな丼とうな重の違いはいつ生まれたのでしょうか。うな重が生まれたのは鰻の蒲焼きを作る工程の違いが関係しています。うな丼とうな重の違いにはふっくらと美味しい鰻の蒲焼きをいかに美味しく食べるかという先人の知恵が詰まっています。
東日本・西日本の調理法の違い
江戸時代にうな丼が誕生したいきさつは今の東京人形町にあった芝居小屋のスポンサーが、鰻の蒲焼きが冷めないようにどんぶり飯の間に挟んで届けさせたのが始まりだと言われています。
他の文献でも鰻の蒲焼きが冷めないように温かいご飯で挟んだうな丼が販売されていたという記録もあります。その後明治時代の関東では、鰻を焼く過程で蒸す工程が取り入れられよりふっくらとした蒲焼きを食べるようになりました。
関西では蒲焼きを作る際に蒸すという工程がないという違いがありました。そのため関西では現在に至るまでご飯の間に鰻を挟むうな丼やうな重が存在するという違いがあります。大正時代に入り、蒸す技術が向上するにつれご飯の間に挟んで二重に蒸す必要はなくなりました。
そのため鰻の蒲焼きをご飯の上に乗せるだけでも、温かくふっくら柔らかい蒲焼きを食べることができるようになりうな丼が誕生しました。その後明治時代に、温かいまま出前で届けることができるように重箱に入れるようになったのがうな重の始まりです。
うな重を届ける際には上下をお湯で挟んで運ぶことにより、温かくふっくらとした鰻の蒲焼きを食べることができ大変人気となりました。うな重は重箱に入っているため見栄えも良くより高級感が出て話題となり、いつしか店内でも提供されるようになりました。
うな重とうな丼の違い1.器の違い
それではうな重とうな丼の違いはどのような点にあるのでしょうか。ここまでご説明した通り、まず始まりはうな丼が定着し、その後出前で運ぶ便宜上、器を重箱にしたという違いが分かります。そのためうな重とうな丼の違いは単に入っている器の違いなのです。
うな丼は大抵漆器のどんぶりの器を使用し、ご飯の上に鰻の蒲焼きが乗っています。お店では薬味として粉山椒や奈良漬けなどの漬物が添えられることが多く、気軽に食べることができます。値段もうな重よりうな丼の方が少し安いという違いがあるので、より庶民的と言ってもよいでしょう。
一方うな重は器が重箱で、ご飯の上に鰻の蒲焼きを乗せたものです。お店や地方によっては白米と鰻を重ねて層を作るところもあり、より高級感が生まれます。器の違いで高級感が漂います。
うな重とうな丼の違い2.うなぎの量
次にうな重とうな丼では鰻の量に違いがあるのでしょうか。明治時代にうな重が誕生した際、それまでうな丼でご飯の上に置かれていた鰻をそのまま重箱に入れたのでは量が少ないことが分かりました。そこで見た目の高級感を出すため鰻を増やし値段も高く設定したという違いがあります。
またお店や地方によっては重箱の中にご飯と鰻を置き、その上にさらにご飯と鰻を重ねるうな重もあります。そのため入っている鰻の量はうな丼とうな重では大きな違いが出てくるということなのです。うな丼とうな重の違いは鰻の量に比例して値段にも違いが出ることを覚えておきましょう。
さらに大抵うな重は、うなぎの肝を使った吸い物や香の物が添えられていることが多いものです。うな丼とうな重の違いは量の違いだけでなく高級感の違いでもあるのです。
蒲焼きの部位にも違いがある?
さて、うな重とうな丼では蒲焼きの部位にも違いがあるのでしょうか。鰻の蒲焼きは部位によって違いがあります。頭に近い部位・真ん中の胴体部位・尻尾に近い部位の3つです。頭に近い部位は実が薄く小骨が多いのが特徴です。そのためうな丼に使用されることが多いものです。
次に胴体部分の最も身が厚い部位は、当然のことながら一番おいしい部位ですのでうな重に使用されることが多いでしょう。うな重に使われる器は大きく幅もありますので最も身の多い部位が用いられるという違いがあります。重箱にぎっしり敷き詰められた蒲焼きは高級感たっぷりです。
さらに尻尾に近い部位は実が薄く幅も狭いので、うな丼やひつまぶしに使用されます。このように鰻の部位による違いも大いにあるということなのです。そして値段にも比例することになります。
うな重とうな丼の松竹梅の違い
鰻専門店に行くとうな重やうな丼に松竹梅というランクが付いていることをご存知でしょうか。中には並・上・特上というランクのうな重やうな丼もあります。うな重やうな丼に付けられているこのグレードの違いはどこから来るのでしょうか。
多くの方は鰻の品質の違いや種類の違いではないかと思われるのではないでしょうか。実は多くのお店でのグレードの違いは、単に鰻の蒲焼きの量の違いなのです。松竹梅と書かれているなら、「松」は鰻が一番多く入っているという意味です。次に「梅」「竹」の順に少なくなります。
そのためうな丼にしてもうな重にしても、今日はたくさん鰻を食べたいという時には最もランクが上の松や特上を選ぶと良いでしょう。もちろん値段も大きく違いますので懐具合と相談しながらということになりますが、満足度には大きな違いがあることでしょう。
このようにうな重もうな丼も、入っている鰻の蒲焼きの美味しさに違いはないということが分かります。気軽に食べたい時にはうな丼、特別なご褒美として食べる際にはうな重にするのも素敵なことではないでしょうか。
うな重とうな丼は質に違いはない
うな重とうな丼の違いについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。うな重とうな丼の違いは品質ではなく使用される器がどんぶりか重箱かの違いです。そのため必然的に鰻の蒲焼きの量にも違いが生じてくることが分かります。
次にうな丼やうな重を食べる時にはグレードの違いは量の違いだということを思いに留めましょう。是非うな丼やうな重をご褒美ご飯として素敵な時間をお過ごしください。