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ひきわり納豆は納豆を細かく刻んだものではない!
納豆といえばおなじみの発酵食品で日本の食卓に欠かせない存在となっています。ひきわり納豆も納豆の仲間でおいしい味と優れた栄養価のため人気商品となっています。
ひきわり納豆はその形状から普通の粒納豆を細かく刻んだものと思う人が実に多いのですが、ひきわり納豆と粒納豆は別物です。ひきわり納豆は粒納豆とは製法が違い、大豆を炒って皮を取り除き細かく割ってから発酵させたもので味も食感も違います。
日本の食品に含まれる栄養成分の値を示す資料として文部科学省発行の「日本食品標準成分表」というものがありますが、これによると同じ納豆でもひきわり納豆と糸引き納豆(普通の粒納豆)は栄養成分がやや異なり区別されて、別のアイテムとして分類されています。
日本食品標準成分表では、スーパーなどで見かける普通の大粒・中粒・小粒の粒納豆が「糸引き納豆」と分類されています。蒸して煮た大豆を納豆菌で発酵させたもので、糸を引くためこの名前が付きました。ひきわり納豆も糸を引きますが別の分類になっています。
納豆の仲間には他にも大豆を麹菌で発酵させ乾燥した「寺納豆」やひきわり納豆を更に米麹で熟成させた「五斗納豆」もあります。他方「甘納豆」は名前に納豆と付くものの豆類の砂糖漬けのお菓子で本当の納豆ではありません。
ひきわり納豆とは
ひきわり納豆は最初の工程で大豆を砕いているため、粒納豆に比べると発酵にかかわる表面積が大きくなり発酵の効果がよく現れてきます。また、ひきわり納豆は皮も取り除かれているために消化も良くなり、赤ちゃんの離乳食にも食べやすくおすすめです。
納豆類は西日本ではあまり好まれず東日本でよく食べられているという傾向があります。糸引き納豆の中でひきわり納豆は全国的にシェアが10%に届きませんが、東北地方では40%に達する地域もあり、ひきわり納豆は東日本のとりわけ東北地方で食べられています。
ひきわり納豆は粒納豆に比べ、これまではマイナーな位置にありましたが、粒納豆より栄養価が高いとして最近は推す声も強くなり、ひきわり納豆を見直そうという動きも出てきました。
粒納豆とは製造方法が異なる
ひきわり納豆は、まず原料の大豆を炒って機械で挽いて細かく切り刻み、文字どおり「ひきわり」を行ない大豆の皮を取り除いてから圧力釜で煮ます。一方、粒納豆ではひきわり無しで皮つきのままです。これがひきわり納豆と粒納豆とで製造方法が異なるところです。
次に、ひきわり納豆も粒納豆も納豆菌の胞子を振りかけ人肌程度の温度で発酵させ完成します。ひきわり納豆は細かく切り刻まれているため表面積がかなり増えています。
納豆菌は大豆の表面に着いて分裂し発酵を進めるので表面積が広い分、ひきわり納豆の発酵は粒納豆より早く進みます。このため、ひきわり納豆は粒納豆とくらべて、アミノ酸などのうま味成分や健康に効果のあるビタミンK・ナットウキナーゼなども増えています。
大豆の皮がついていないのが特徴
ひきわり納豆と普通の粒納豆は納豆菌を使って発酵させるということは共通ですが、大きな違いはひきわり納豆が原料の大豆を炒って機械で挽いて細かく切り刻み、大豆の皮の部分は取り除いているところにあります。
このため、大豆の皮に由来する食物繊維などの成分はひきわり納豆の方が粒納豆よりも少なくなっています。食物繊維は整腸などに効果のある成分ですが、ひきわり納豆では食物繊維が少ないために食感も変化し柔らかく食べやすくなっています。
赤ちゃんの離乳食にもひきわり納豆は重用されています。食べやすい上に手軽に良質な大豆たんぱくを摂取できるので赤ちゃんにはたいへん使いやすいものです。
発酵時間が短い
ひきわり納豆は皮を除去した後の大豆を細かく切り刻んでいるため普通の粒納豆に比べて表面積が相当増えています。納豆菌は大豆の表面に付着して分裂し発酵を進めるので表面積が広いひきわり納豆の発酵は粒納豆より短い時間で済みます。
発酵が短い時間で済むいうことは同じ時間放置しておいても発酵が余計に進むことを意味します。そのため、ひきわり納豆は粒納豆と比べると賞味期限が短く設定されています。
また、ひきわり納豆は保存温度も大事で室温に置く時間が長いとそれだけ発酵が進むので食事で残ったら早めに冷蔵庫に入れておくように注意しましょう。過発酵すると味が落ちアンモニア臭がしてくることがあります。
赤ちゃんの離乳食にもおすすめ
ひきわり納豆は栄養豊富で赤ちゃんの離乳食によく使われます。粒納豆の場合は細かく刻む必要がありますが、その点ひきわり納豆は赤ちゃんに手軽に用意できるのがメリットです。ひきわり納豆添付のタレや辛子は赤ちゃんにとって味が濃すぎるので使わないようにしましょう。
5~6ヵ月の離乳初期では、まだ赤ちゃんにひきわり納豆をあげるのは控えましょう。7~8ヵ月の離乳中期になると離乳食にひきわり納豆を使っても構いません。もしひきわり納豆の粒が赤ちゃんに大き過ぎるようなら刻んで小さくしましょう。
9~11ヶ月の離乳後期以降は、ひきわり納豆を赤ちゃんにそのまま上げられます。納豆特有のにおいやネバネバを嫌う赤ちゃんにはひきわり納豆を湯通しするのもおすすめです。
ひきわり納豆と粒納豆の栄養価
納豆の伝統的な製法では大豆を藁につつんで加熱します。雑菌は熱で死滅しますが、藁に常在する枯草菌は熱に強く胞子となって生き残ります。生き残った枯草菌(納豆菌)は大豆を分解してうま味や栄養価のある納豆を作り出すというのが基本です。
現代では機械化され、ひきわり納豆も粒納豆も製造各社のノウハウに基づいて衛生的に作られています。ひきわり納豆も粒納豆も原材料の大豆や納豆菌に大きな違いはないと考えられます。
そこまで大きな差はない
ひきわり納豆も普通の粒納豆も原料は共通の大豆です。違いはひきわり納豆が大豆の皮を取り除いている程度で栄養素としては皮に多い食物繊維などの分量に多少の違いが出ています。
しかし、違いとはいっても僅かなものです。一番大きなものはビタミンB1でひきわり納豆が普通の粒納豆に比べ2倍含んでいるところです。普通の食事で十分補完できているのでひきわり納豆と粒納豆の栄養素の違いを気にする必要はないでしょう。
ひきわり納豆も粒納豆も栄養素に関しては、そこまで大きな違いはないのでどちらでもご自身の好みに合った味や食感を楽しむことが大切です。以下、ひきわり納豆や粒納豆にも期待できる栄養素を見てみましょう。
カリウム
カリウムはひきわり納豆に100gあたり700mg含まれています。神経刺激の伝達・心臓や筋肉の調節やナトリウムの排泄を促がし血圧を下げる効果があります。
カリウムはひきわり納豆をはじめ、さまざまな動・植物性食品に含まれており普通の食事ではあまり不足する心配はありません。しかし、利尿降圧剤を長期に使った場合などにカリウムの排泄は増え、不足する時は食欲不振・脱力感・筋力低下などが起こることもあります。
ビタミンK
ビタミンKは普通の粒納豆に比べてひきわり納豆に約1.5倍含まれている脂溶性のビタミンです。出血時に血液凝固の因子を活性化し止血を助ける働きがあります。
ひきわり納豆に多く含まれているビタミンKは骨にカルシウムを沈着させるとともに骨のたんぱく質に働きかけコラーゲンの生成を助けるため、骨粗しょう症の治療にも取り入れられています。骨密度の低下を防ぐためにはビタミンDと一緒に摂るのが効果的です。
ビタミンKはひきわり納豆以外にも緑黄色野菜などに多く含まれています。人体の腸内細菌もビタミンKを合成しているためビタミンKが不足することはまずありませんが、抗生物質を長期間服用していると腸内細菌にも影響が及び体内での合成分が不足する場合があります。
スペルミジン
「スペルミジン」は生物の細胞中にあって細胞分裂にかかわり細胞を正常な状態に保つ重要な物質で、ひきわり納豆の原料・大豆に多く含まれています。最近の研究では、スペルミジンを摂取すれば老化を遅らせ寿命を伸ばせるのではないかという報告が出ています。
スペルミジンは人間が出生のときから持っていてその後も細胞内で作られています。作られる量は若い時ほど多く、年を取ると減っていきますが、スペルミジンが多い食品を食べると補うことが出来ます。最近はスペルミジン摂取に着目した食品も発売されています。
スペルミジンには類似物質がいくつかあり「ポリアミン」と総称されています。その中で現在はスペルミジンの研究が一番進んでいますが今後の研究にも期待したいところです。
ひきわり納豆の味や食感
ひきわり納豆に含まれる酵素・ナットウキナーゼは血液をさらさらにするため脳卒中などの血管障害の予防に役立ちます。ナットウキナーゼは食べてから効果を発揮できるのが6~8時間といわれています。
脳卒中は起床する朝に発症することが多いため、それを防ぐためにひきわり納豆は夜に食べるのがおすすめです。また、ナットウキナーゼは酵素であるため熱には弱く効果が無くなります。そのため熱々のご飯に乗せたまま長く置いておくと効果が減る場合もあります。
納豆本来の旨みを強く感じられる
ひきわり納豆は細かく砕いてあるため表面積が大きく普通の粒納豆に比べると発酵が活発で納豆本来の旨みを強く感じられるうま味成分も多いのが特色です。
ひきわり納豆のかき混ぜ方については何回かき混ぜるとか全然かき混ぜないとか、人それぞれいろいろな流儀がありますが、おいしく食べるためにはかき混ぜる回数の多寡ではなくかき回してからしばらくそのまま置いてひきわり納豆の熟成を進めるのがおすです。
その理由は、ひきわり納豆のネバネバした糸の成分は、アミノ酸の一種・グルタミン酸が多数結合したポリグルタミン酸で、時間が経つと代表的なうま味成分であるグルタミン酸に分解し、ひきわり納豆がより美味しく感じられるようになるためです。
なめらかでしっとりとした食感
ひきわり納豆は製造工程の最初に大豆の皮を取り除いているので食物繊維が少なく、赤ちゃんにもおすすめのなめらかでしっとりとした食感が楽しめます。
ひきわり納豆の食物繊維が普通の粒納豆に比べて少ないということはその分消化吸収も良いということになります。ひきわり納豆は、消化吸収の弱い赤ちゃんやお年寄りにもおすすめの食品です。最初から細かくなっているのであまり噛まなくても良いというのも強みです。
さらに、ひきわり納豆は他の素材と組み合わせて様々なレシピに応用できる便利な食品で、ひきわり納豆をアレンジした新しいレシピも続々と登場しています。
ひきわり納豆を使ったおすすめレシピ
ひきわり納豆のしっとりとした食感・うま味はご飯とともに楽しむ他にもアレンジしてさまざまなレシピに応用できます。粒納豆にも十分適用できるおすすめのレシピをいくつかご紹介します。
ひきわり納豆に多く含まれているビタミンKは脂溶性で熱には強く、炒める・焼くなど油を使ったものもおすすめのレシピです。
ひきわり納豆のピザ
ひきわり納豆を使ったピザは、土台の生地として本格的にピザ生地を使ったもの、ぎょうざや春巻きの皮を代用したものなどいろいろなレシピができます。このレシピでは大豆の栄養がしっかり摂れるようにおすすめの油揚げを使いましょう。
1人分の材料は、油揚げ1枚・ひきわり納豆1パック・とろけるチーズ30g・ピーマン1/2個・トマト1/2個です。
まず油揚げ1枚は湯通しして余分な油を除きます。次にひきわり納豆1パックは添付のたれとからしを入れよくかき混ぜておきます。ピーマンは縦に細切りにしトマトは輪切りにします。油揚げに2と3を乗せとろけるチーズをかけ、オーブントースターで焼き焦げ目を付けます。
素麺とひきわり納豆のつけ汁
あっさりした素麺をコクのあるひきわり納豆で大豆の栄養とともに楽しめるつけ汁のおすすめのレシピです。このレシピではめんつゆにとろろ芋を入れたようなとろみを出しています。
1人分の材料は、素麺1束・ひきわり納豆1パック・卵1個・大葉1枚・めんつゆ適量・好みにより唐辛子や辛子です。
ひきわり納豆1パックは卵1個を入れ、よくかき混ぜとろみを出しておき、大葉は千切りにします。素麺一束を茹でたら、ひきわり納豆と卵をめんつゆに入れ大葉を乗せ素麺をいただきます。
ひきわり納豆のオムレツ
柔らかい卵の生地の中にしっとりしたひきわり納豆が現れるおすすめの食感を楽しむことができるレシピです、このレシピでは動物性と大豆の良質なたんぱく質をとることがおすすめのポイントです。
1人分の材料は、卵2個・ひきわり納豆1パック・サラダ油適量・小ねぎ適量・塩適量・こしょう適量・ケチャップ適量です。
小ねぎは小口切りにしておきます。ボウルにひきわり納豆1パック・納豆添付のたれ・卵2個・小ねぎ・塩・こしょうを入れよくかき混ぜます。フライパンにサラダ油を熱したら、卵と混ぜた納豆を注ぎ中火で焼きます。半熟になったら折り返し二重にかさね全体に火がとおったら完成です。
ひきわり納豆と粒納豆を使い分けよう!
単に納豆といえば粒納豆を思い浮かべる人が多いようです。ひきわり納豆は粒納豆にくらべると少しマイナーなイメージがありますが、どちらの納豆も原料は畑の優等生・大豆で栄養的には多少の違いはあっても大差はなくひきわり納豆も粒納豆もおすすめの食材です。
ひきわり納豆と粒納豆それぞれに微妙な違いがあり食べてみるとその良さも分かって来るもので、ぜひ、実際に食べて違いを知ってひきわり納豆と粒納豆を使い分けましょう。