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のどぐろの旬は産地によって違う
北陸・山陰地方の高級魚として有名なのどぐろは、島根や九州でもとれる人気の魚種です。地域によっては「幻の魚」と呼ばれるほど珍重されており、脂ののった身は生で良し、焼いて良し、煮て良しの万能食材でもあります。
正しくは「アカムツ」という魚名ですが、別名の「のどぐろ」の方がよく知られています。ちなみに「メキン」「キンギョウオ」「ギョウスン」なども、のどぐろと同じくアカムツの別名です。
のどぐろはどうして高級魚といわれるの?
一般的に高級魚と呼ばれる魚種は、「漁獲時期が短い」「漁獲が難しい」などが理由で高値がつきます。ところがのどぐろは一年中漁獲可能なため、「決まった時期にしか食べられない魚=高級魚」という定義は当てはまりません。
水揚げ量が少ない
いつでもとれるのに高級魚と呼ばれる理由は、圧倒的に漁獲量が少ないからです。物流技術が現在のように進歩していなかった時代には、水揚げされてもすべて地元で消費されるため、産地以外で食べることはありませんでした。
そのため「のどぐろ」という魚名すら、当時は知られていなかったのです。現在は鮮度を保ったまま遠隔地に移送する技術も発達しているため、産地から離れた場所でもおいしいのどぐろ料理が食べられます。
とはいえ非常にデリケートな魚のため、環境の変化やエサの増減によって漁獲量がなかなか安定しません。そのため未だに漁獲量が少なく、常に高値で取り引きされます。
季節ごとののどぐろの旬
「高級魚」という肩書があるのどぐろなので、価格が高い理由として考えられるのは「旬が短い」「旬にしか釣れない」などです。ところがのどぐろを特産品としている地域では「のどぐろ=一年中釣れる魚」といいます。
そんなのどぐろの産地が多い中、メディアでは「〇〇の季節が旬の魚」としてのどぐろを紹介することが多いです。のどぐろの旬について調べてみると、季節によって諸説あることがわかりました。そこで季節ごとに異なる「のどぐろの旬」説をご紹介しましょう。
夏から秋の産卵期
海水温が上がりエサとなるプランクトンが大量に発生する夏・秋の2シーズンを「のどぐろが旬の季節」とする説があります。夏と秋の2シーズンはのどぐろの産卵期です。
産地によって産卵時期には若干のずれがありますが、概ね6月頃から産卵期に突入し10月頃まで続きます。産卵を前にしたのどぐろは腹の中の卵に栄養を供給するため、通常の季節よりも多くのエサを食べます。
魚によっては「産卵期は身に栄養がいかないからおいしくない」という種類もありますが、のどぐろには当てはまりません。
脂の含有量をほかの季節に釣ったのどぐろと比較してみても大きな違いはありませんし、子持ちのどぐろが食べられるのは産卵シーズンのみなので、夏・秋をのどぐろの旬とする説があります。
秋から冬
海水温が下がり本格的な寒さが襲ってくる秋・冬の2シーズンを「のどぐろの旬」とする説も有力です。秋・冬の2シーズンを旬とする魚は多いですが、北陸地方や山陰地方など厳しい寒さが有名な地域では特にその傾向が見られます。
冬の栄養を蓄える時期
厳しい寒さの中でのどぐろが生き残るには、寒さを感じない体を作る必要があります。のどぐろは人間のように防寒着を身に着けることはできませんが、その代わりに脂肪を蓄えることで防寒着代わりにすることが可能です。
さらにのどぐろは砂底に住む甲殻類を好んで食べるので、「甲殻類の旬である秋・冬はのどぐろの旬である」という説もあります。
いずれにしても北陸地方や山陰地方で秋・冬の季節に釣れるのどぐろは高級魚として有名で、産地にある地元の飲食店では「おすすめの旬の魚」としてのどぐろ煮つけやのどぐろ鍋がふるまわれます。
各地方ののどぐろの旬は?
漁獲量の少なさと鮮度落ちの早さから、かつてはほとんどののどぐろが地元で消費されてましたが、そんなのどぐろも今では立派な高級魚の仲間入りです。
産地以外で高級なのどぐろが食べられるようになった背景には、鮮度を保ったまま地方に発送する物流技術の発展や養殖技術の進歩などがあります。そのため産地から遠く離れた場所にいても、魚のプロ・漁師がおすすめする最高級ののどぐろが食べられます。
ただしのどぐろの産地に注目すると、のどぐろの旬にズレが見られます。特にのどぐろを特産品としてブランド化している地域では、異なる旬を強くアピールする傾向が強いです。
新潟県
一年を通してさまざまな種類の魚がとれる新潟は、冬が旬の魚が多い地域の1つです。のどぐろのほかにも新潟でとれるアンコウ、ズワイガニ、真鱈、鮭などは、すべて冬が旬の魚たちといえます。
冬の旬のどぐろは11月~2月にとれるもので、のどぐろ鍋にする食べ方がおすすめです。冬の旬のどぐろの特徴は、体の大きなのどぐろが多いことでしょう。厳しい寒さを前に秋からたっぷりとエサを食べてきたのどぐろは、肉厚で脂もたっぷりのっています。
ちなみにあまり知られていませんが、新潟ではのどぐろの旬が2回あります。冬の旬は全国的にも有名ですが、地元では気温が高くなる夏ものどぐろの旬として知られています。夏はのどぐろの産卵期にあたるため、冬の旬では食べられない子持ちのどぐろが美味です。
子持ちのどぐろは煮つけにする食べ方が人気で、地元でも「冬が旬派」と「夏が旬派」で意見が分かれることもよくあります。
島根県・長崎県
島根および長崎も、良質な漁場に恵まれたおすすめの地域です。どちらものどぐろを特産品としてブランド化し、旬に合わせて集中してブランドのどぐろを出荷しています。島根では地域ブランド「どんちっちのどぐろ」として、旬に合わせて販売展開しています。
どんちっちは島根・浜田市の産地ブランドで、のどぐろ・アジ・カレイの3種類を「どんちっち三魚」と呼ぶのが特徴です。
もともとは地魚として地元のみで消費されていたのどぐろですが、高級魚ブームによってのどぐろが注目されると、島根・浜田市の市魚・のどぐろをアピールするため地域を上げてブランド化に乗り出しました。
そんな島根のどんちっちのどぐろは、意外なことに春が旬です。産卵期に入る前の4月・5月が春の旬で、「一年で最も脂ののりが良い」と産地の漁師たちは口を揃えます。底引き網漁法で漁獲される島根・どんちっちのどぐろは、春の祝いの席に欠かせない食材です。
家庭でも祝い事があると春の旬・のどぐろを使った料理がふるまわれるので、春ののどぐろは地元の人々にとって馴染みの深い食材といえます。なお島根は秋・冬ものどぐろの旬です。
地元では「春が旬の魚」のイメージが強いですが、出荷用のどぐろの旬は9月~12月にとれるのどぐろが中心になります。そのため出荷用のどぐろは、秋・冬にとれるのどぐろが多いです。
脂のりも大きく下がるわけではないので、秋・冬の旬のどぐろもおすすめですが、島根で旬のどぐろを食べるなら春が狙い目です。九州地方も良質な漁場が多い地域でののどぐろ産地としては、良質な漁場がある長崎が有名です。
他の地域よりも海水温が高い九州・長崎ですが、漁獲できる魚の種類が全国で最も多いため、季節を問わず常に旬の魚が食べられるおさかな天国の街として知られています。
そんな長崎でものどぐろがとれますが、旬は秋・冬の2シーズンです。冬越しのためにエサをたっぷり食べる秋・冬のどぐろは、春の旬のどぐろよりもひとまわり大きな体をしています。
長崎では秋・冬に旬ののどぐろは1年で最も脂のりがよいので、刺身や塩焼きおおすすめですし、煮つけや鍋もおいしい食べ方の1つです。
石川県
北陸を代表する魚の産地・石川で、のどぐろは冬が旬の魚として取り扱われています。石川もさまざまな種類の魚がとれる地域なので、一年中旬の魚が楽しめることで有名です。そんな石川なので、のどぐろ漁は一年中おこなわれています。
それにもかかわらず「冬が旬」といわれる理由は、4シーズンの中で最も漁獲量が少ないからです。冬の石川沖は荒れることが多く、漁に出られる日数が激減します。
もともと漁獲量が少ないのどぐろですから、実質的に漁獲量が落ちる冬は地元でも珍しい魚として珍重されます。味は基本的に通年同じなので、「冬の旬のどぐろだからおいしい」ということは特にありません。ただし価格は冬の旬のどぐろの方が高いです。
旬ののどぐろのおすすめの食べ方
どの時期に旬を迎えたのどぐろであっても、味や自慢の脂はほとんど変わりません。しかも白身の魚なので、どんな食べ方にしてもおいしいところが重宝される理由です。
刺身・炙り
のどぐろの味を知り尽くしている漁師の間でも「特別な日には刺身にする食べ方がおいしい」といいます。脂のりがよいことから「白身のトロ」と呼ばれるくらいなので、刺身で食べるのがシンプルにおいしいです。なお表面を軽く炙る食べ方も人気があります。
煮つけ
身がしっかりとしているので、煮つけにする食べ方もおすすめです。特に初夏から初秋にとれるものは腹にたまごがぎっしり詰まった子持ちのどぐろが多いので、刺身や焼き魚よりも煮つけにしたほうがおいしくいただけます。
塩焼き
上品な脂がたっぷりとのったのどぐろなので、シンプルに塩を振って焼くだけの塩焼きもおいしい食べ方の1つです。
のどぐろはいつ食べてもおいしい!旬の時期は諸説あり
意外と知られていませんでしたが、のどぐろは一年を通していつでもとれる魚です。とはいえとれる量が非常に少ないため、地元でもなかなかお目にかからない高級魚といえます。地域によって旬が異なりますが、味そのものは旬以外と比較しても大きな違いはありません。
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