本サービス内ではアフィリエイト広告を利用しています
店舗や施設の営業状況やサービス内容が変更となっている場合がありますので、各店舗・施設の最新の公式情報をご確認ください。
美食家にキッチンのダイヤモンドと称される「トリュフ」
世界の三大珍味といえば、「キャビア」「フォワグラ」そして「トリュフ」です。イタリアでは食べ物の王様と言われているトリュフは、世界で大変珍重されている、子嚢菌のきのこのことです。
トリュフの香りはきのことは思えない芳しいもので、値段もこの世のきのこの中では最高級品で、松茸よりも高いのです。
「味覚の生理学」という本を出版した著名なフランスの美食家、ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランは、トリュフを「キッチンのダイヤモンド」と名付けました。特に収穫することが難しいトリュフは高級料理にのみ使われるという、特別なきのこです。
トリュフは、日本では高級きのことして珍重されている松茸よりもさらに高価で、白トリュフは黒トリュフの値段の3倍から5倍すると言われています。
塊状のきのこの一種「西洋松露」
トリュフとはきのこの種類なのですが、一般に石づきや傘のあるきのこの外観とは異なり、不規則な球形の塊の形をしていて、日本語では「西洋松露」と呼ばれています。
種類や産地の寄って価格が異なる
トリュフには色々な種類があって、何百以上のきのこがトリュフとして分類されていますが、食用になるのはセイヨウショウロ属のうちの一つです。
またそれが黒トリュフと白トリュフに分かれ、そして産地によってフランス産の黒トリュフ、イタリア産の白トリュフなどのように分類されます。
一般にフランス産、イタリア産のトリュフは100gあたり1万〜5万円くらいで取引されますが、最高級品と言われるアルバ産の白トリュフは100gあたり数十万円とも言われています。トリュフを使った料理の値段が高いというのもお分かりいただけるでしょう。
また中国産のイボセイヨウショウロは大変安価で、ひと山500円で売られているとか。こちらはヨーロッパの黒トリュフや白トリュフの廉価品として販売されていますが、トリュフは種類と産地によって価格が大変異なるのです。
トリュフはどうして高級珍味なの?
トリュフはなぜ高級珍味とされているのでしょうか。トリュフは一体どんなところに生えるのでしょう。松茸のように人工栽培ができないきのこなのでしょうか?
木の根の近くでしか地下に生育できない
トリュフは小さいうちは地下5cm〜40cmに生息します。成長すると地上に現れるものも幾つかあるようですが、白トリュフは成長しても地中深く潜っているものが多いのです。トリュフは成長する速度が大変遅く、食べられる大きさになるには7年から8年かかると言われています。
トリュフはトリュフを餌とする動物たちにとっては大変魅力的な匂いです。例えば森に住む哺乳類のヒグマやアナグマ、キツネやオオカミ、げっ歯類のモモンガやリス、ノネズミ、そして爬虫類や昆虫、軟体動物もトリュフが大好きです。
森の生き物たちがトリュフをかじって身体についた胞子や、糞の中に混じっている胞子が拡散して、トリュフはゆっくり木の根の近くの地下で成長してゆくのです。
200種類以上のトリュフの中で食用に適すのは極一部
トリュフきのこの種類は200種類以上ありますが食用できるトリュフはほんの一部にすぎません。トリュフは収穫されて4日〜5日後には香りの半分が消失し、7日経つと全くその香りは消え失せてしまうのです。
なのでトリュフは収穫されてからすぐ消費者の手に渡らなければ全く意味がないのです。プロのトリュフハンターは大変秘密主義の人たちで、トリュフハンターの存在は実はあまり公にはされていないようです。
そしてトリュフハンターは森の隅々までを熟知していて、もちろんどこでトリュフが取れるかという情報は誰にも教えません。
収穫が難しい
トリュフは地上に出ているものは稀なので、鼻の効く動物によってそのありかを探し出さなければいけません。昔から使われていたのは雌ブタで、トリュフの香りは雌ブタにとってフェロモンに近い香りを出すことから、雌ブタはトリュフの匂いには大変敏感なのです。
昔から雌ブタはトリュフ探しに使われてますが、雌ブタはトリュフを見つけるやいなや夢中で食べようとするので、トリュフを無傷で発掘するのは至難の技なのです。今は雌ブタよりも訓練された犬を使ってトリュフを見つけることが多いです。
特に白トリュフは地下1m以上も深いところに埋まっていることがあるので、嗅覚の鋭い動物を使わなければ発見することはできません。トリュフを見つけ出す犬とトリュフハンターの絶妙なコンビは、トリュフを収穫する作業でも最も大事なことなのです。
犬がトリュフを見つけられるようになるには、あげる餌に少量トリュフを混ぜて、トリュフの匂いを覚えさせる訓練が必要です。
トリュフを見つけ出すトリュフ犬を育てるには、約10キロ分のトリュフが必要なのだそうです。10キロのトリュフといえばおよそ100万円しますから、トリュフ犬を育てるということはとても大変なことなのです。
トリュフの種類
トリュフにはたくさんの種類がありますが、食用とされるのは主にフランス産の黒トリュフ、ペリゴール・トリュフ、イタリア産の白トリュフ、ヨーロッパ産のセイヨウショウロ、ヨーロッパだけでなく日本にも分布するクロアミメセイヨウショウロや、イボセイヨウショウロがあります。
黒トリュフ
黒トリュフはほとんどのものがヨーロッパで生産されています。中でもフランスは世界で生産されている黒トリュフの45%を占めていて、ついでスペインの35%、そしてイタリアは白トリュフだけではなく黒トリュフも30%生産しています。
中国にも「イボセイヨウショウロ」という黒トリュフの類が生えるのですが、やはり味も香りもヨーロッパの黒トリュフと比較にならないので、廉価ものとして世界中に輸出されています。
黒トリュフの香りは白トリュフの香りとは全く違っていて、白トリュフと比べると植物的な香りがして、森の中の香りと表現されます。
人工栽培での収穫が可能
黒トリュフは種によって人工栽培を行えるものがあります。1800年代のフランスでは広大なトリュフ園が存在していて、1890年代には2000トンものトリュフが収穫され、トリュフは一般の人も日常的に食べていたのだそうです。
フランスで生産されているトリュフの80%は、トリュフ園で人工栽培されたものですが、現在のトリュフの生産量は20トンばかりしかなく、トリュフは金銭にゆとりのある人にだけ賞味されています。
しかし金額が高いからこそ価値のあるものとされているので、トリュフの人工栽培がもっと盛んになって生産が増えるのが良いことかと言われると、一概にうなづけるものではありません。
白トリュフ
白トリュフは黒トリュフよりも香りが高く、生でスライスして料理に使います。白トリュフはイタリアに多く生息します。特に北イタリアのアルバは白トリュフの最も有名な生産地で、毎年秋にはトリュフ祭りが開催されることで有名です。
日本にもセイヨウショウロという白トリュフの類が20種類以上存在すると言われています。しかし菌を植え付けて食べられるようになるまで成長するには7年以上かかるので、日本でのトリュフの栽培はまだ成功していません。
2007年にイタリアのトスカーナでなんと重さ1.5kgもある巨大な白トリュフが発見されました。マカオの慈善オークションに出品され、およそ3600万円という価格で落札されました。
落札された巨大な白トリュフは、香港のザ・リッツ・カールトンホテルの晩餐会で150人にふるまわれたそうです。もしこの白トリュフを味わった人々がお金を出すとしたら、トリュフだけで24万円というとんでもない金額です。
香料として使われることが多い
白トリュフは大変刺激の強い香りを持っていて、パスタやスクランブルエッグなどの上に大変薄く削って出されることが多いです。白トリュフの香りは黒トリュフの香りと比べると、ちょっときのこの香りとはわからない動物系の香りがします。
例に挙げるならば、ガソリンのような、もしくはガスのような、はたまたバターのような香りと表現されることが多いです。
黒トリュフを使ったおすすめの食べ方・レシピ
黒トリュフは黒のダイヤとも呼ばれます。木々に囲まれた森の中の香りがすると言われている黒トリュフは、缶詰や瓶詰にすることができるので、長い間その香りを楽しむことができます。
加熱して食べることが多い
黒トリュフは白トリュフと比べると香りが弱いので、加熱して食べることが多い食材です。ヒレステーキにフォワグラとトリュフをソテーしたものを一緒に添える、ロッシーニ風ステーキが、黒トリュフのレシピとしてよく知られています。
黒トリュフの贅沢パスタ
黒トリュフを使った贅沢なパスタのレシピをご紹介しましょう。黒トリュフの高級な香りは、普段食べているパスタとはちょっと違った、神秘的な香りの高級パスタを楽しませてくれます。
黒トリュフを使った高級感あふれるパスタ二人前のレシピに使う材料は、次の通りです。黒トリュフ、バター、オリーブオイル各30gを用意してください。
さらに、ニンニクひとかけ、パルメザンチーズ15g、フェットチーネパスタ300g、そして白トリュフオイルがあれば、なお香り豊かな高級な味わいを楽しめます。
黒トリュフの半分をスライス、半分をみじん切りにします。フライパンにバターとオリーブオイル、潰したニンニクを入れて香りがたつまで弱火で熱します。ニンニクを一旦フライパンから取り出して、みじん切りのトリュフを炒め、スライスしたトリュフの半量をフライパンに入れます。
パスタの茹で汁大さじ2とパルメザンチーズを加えて全体を炒め合わせます。そこに茹で上がったフェットチーネを加えて混ぜ合わせたら器に盛り、残り半分のスライスしたトリュフと、トリュフオイルを少量かけて、黒トリュフの高級パスタの出来上がりです。
鶏肉と黒トリュフソースを合わせて
鶏肉と黒トリュフソースを合わせて作る、絶品料理のレシピをご紹介しましょう。このレシピ二人前に使う材料は次の通りです。
鶏もも肉4枚、黒トリュフ、バター各30g、玉ねぎひとつ、ニンジン1本、フォン・ド・ボー1缶(290g)、パセリ少々です。
鶏肉と黒トリュフソースのレシピです。フライパンにバターを溶かし、鶏を皮目から入れてこんがりと焼いて、裏返して反対側もきつね色に焼きます。
一旦フライパンから鶏肉を取り出して、スライスした玉ねぎと半月切りにしたニンジンを入れ、中火で炒めしんなりしてきたら鶏肉を戻して、弱火で焦がさないように野菜の水分だけで鶏肉を20分ほど蒸し焼きにします。
別の鍋にフォン・ド・ボー1缶を入れて、バターを小さじ1入れて温めます。黒トリュフの半分をみじん切り、半分はスライスしたものを入れて、塩胡椒で味を調整します。
焼き上げた鶏肉と玉ねぎ、ニンジンを皿に盛り付けて、黒トリュフ入りのフォン・ド・ボーをかけ、みじん切りのパセリをふわりとかければ、鶏肉と黒トリュフソースのレシピが完成です。
白トリュフを使ったおすすめのレシピ
白トリュフは黒トリュフよりもずっと香りが強いので、出来上がった料理の香りづけとしてトップに散らして使うことが多い食材です。
白トリュフは和食の食材とも美味しく調和してくれるので、ふぐの白子と合わせた高級食材マッチを楽しむことなどもできますし、白トリュフオイルをラーメンと合わせて出すユニークなお店も増えています。
一般的に生のまま食材に振りかける
白トリュフは香りがとても強いので、まさに香りを楽しむために使われるきのこです。簡単に調理したものの上にかけただけで、たちまち高級料理に変身してしまいます。
目玉焼きに白トリュフを振りかけて
白トリュフを使ったレシピで一番有名なのが、イタリアの目玉焼きに生のトリュフをスライスしてトップにかけた料理です。
目玉焼きは塩だけをかけた単純なものなのですが、お皿にのった目玉焼きがテーブルに出されて、いいというまでウェイターさんが白トリュフを上から削ってかけてくれます。
ストップ!と言った時点で、白トリュフをどれだけ使ったか秤にかけて目玉焼きの白トリュフがけの料金が決まるのです。このレシピはうっかりしていると、とびきり高い目玉焼きになるので注意が必要です。
リゾットに白トリュフをトッピング
白トリュフはあまり複雑でない料理のトッピングにして、香りのハーモニーを楽しむレシピが多いです。これもイタリアでは大変人気のレシピですが、リゾットに白トリュフをトッピングしたレシピです。
日本の炊いたご飯を使って作れる簡単なレシピです。二人前のレシピの材料は、ご飯2膳分、野菜のブイヨン小さじ1、パルメザンチーズ大さじ2、塩少々、白トリュフ20g、もしくは白トリュフオイル少々です。
お湯を適量鍋に沸かしてご飯をほぐし入れます。ご飯がお湯を吸って膨らんだら、パルメザンチーズを入れてかき混ぜます。
お皿に盛って塩を少々かけ、白トリュフのスライスもしくは白トリュフオイルを少々かけて、ブラックペッパーを散らせば白トリュフをトッピングしたリゾットの出来上がりです。
トリュフは味よりも香りを楽しむ食材
トリュフそのものの味はほとんど無味に近いもので、トリュフは味よりも香りを楽しむきのこです。トリュフは大変高価なので手に入れるのも決して簡単ではありません。
しかし、生のトリュフを使わなくとも、トリュフを使ったオイルや調味料がたくさん販売されています。通販などで手軽にお買い求めいただけますので、ぜひトリュフの香りが芳しい料理をトライしてみてください。
※ご紹介した商品やサービスは地域や店舗、季節、販売期間等によって取り扱いがない場合や、価格が異なることがあります。