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パスタを茹でる時に塩って必要なの?
パスタ専門店の厨房をのぞいてみると、パスタを茹でる際に何かをお湯に入れているのがわかります。この時に入れているのが「塩」ですが、塩を入れて茹でる意味についてはあまり知られていません。
とはいえさまざまなパスタレシピで、茹でる際のポイントに「塩を入れる」と一文加えています。それだけ重要なのでしょうが、塩を入れる意味までは書かれていないので、「意味は分からないけど入れている」という人も多いです。
パスタを茹でる時に塩を入れる意味って?
パスタ専門店では、麺を茹でる際に塩を使っています。その風景を見ると、やはりパスタの茹でる際に塩を入れる意味がきちんとあるのでしょう。ただし塩を入れて茹でる麺は、パスタのほかにほとんどありません。
パスタと同じく人気が高いうどんやそうめんは、お湯に塩を入れません。このように同じ乾麺でも日本の食材は塩を入れないで茹でるのが基本なのに、同じ麺類のパスタにはどうして塩を入れるのが良いのでしょうか?
パスタを茹でる際に塩を加える意味や、塩を入れることによって生まれる美味しさの秘密を探ってみました。
麺自体にまろやかな塩味がつく
「茹でる際に塩を加える」と書かれているパスタレシピは、基本的にシンプルなソース(または調理法)が多いです。
ガーリックと唐辛子をオリーブオイルでまとめるオイル系パスタ・ペペロンチーノのレシピにも、「茹でる際に塩を入れる」という一文が加えられています。しかもペペロンチーノを茹でる際の塩加減は、「多め」としているレシピが多いです。
濃厚ソースが人気のトマト系パスタ・ミートソースのレシピにも、茹でる際の注意点に「沸騰したお湯に塩を適量加える」とあります。ただしあくまでも茹でるために必要な塩なので、材料を見てみると、茹でる際に使う塩の分量は表記されていません。
他にもパスタにはトマト系パスタ、クリーム系パスタ、和風パスタ、オイル系パスタなどがありますが、いずれのパスタレシピにも茹でる工程の注意点として「お湯に塩を入れる」とあります。
ところがレシピを見てみると、塩を入れる意味について記述しているレシピがほとんどありません。そこでそれぞれのレシピを茹でる工程の先までチェックしてみると、パスタに塩を入れる意味のヒントが書かれていました。
パスタ・ペペロンチーノやボンゴレビアンコのようなオイル系パスタの場合、パスタそのものの味を楽しめるよう、シンプルな調理法にしています。
シンプルな調理法のパスタの場合、塩加減がパスタ全体の味を決める重要なカギです。塩味がパスタそのものについている方が、オイル系パスタのようなシンプルなパスタの場合はより一層美味しくしてくれます。
そのため場合によってはパスタをソースに絡める際に、塩を入れた茹で汁を少量加えることもあります。ではトマト系パスタやクリーム系パスタのように濃厚なソースのパスタにおいて、塩を入れて茹でる意味にはどんなものがあるのでしょうか?
どうやらこれも、パスタそのものに塩味を付けることに意味があるようです。濃厚ソース系のパスタの場合、パスタから出る水分のせいで本来のソースの味よりも薄くなりがちです。
そのため仕上げの段階で塩を加えて味を調えるのですが、パスタ自体に味がついている場合は、パスタから水分が出にくくなるのでソース本来の味がストレートに楽しめます。
なおパスタそのものに塩味がついていることを前提にレシピは作られるので、「塩の分量はやや控えめに」という注意書きがレシピにかかれていることが多いです。
このようにパスタレシピをチェックしてみた結果、茹でる際に塩を加えるのは、「パスタそのものにほんのりと塩味をつける」という意味があることがわかりました。
麺にコシが出る
茹でる際に塩を加えるのは、「麺にこしを出す」という目的もあります。茹でる時間はパスタの種類や細さによって違うので、パスタ本来のこしを出すためには「表記された時間通りに茹でる」がポイントです。
パスタに限らず麺類は、茹でる時間が長すぎるとこしがなくなります。逆に茹でる時間が短いと芯まで火が通らないので、食感が悪いです。特にパスタは茹でる時間が短すぎると粉っぽくなるので、どんなに美味しいソースを作っても絶品パスタにはなりません。
そのため美味しいパスタのためにも、時間を守って茹でることが重要です。そんなパスタをさらに美味しく仕上げるのであれば、茹でる時間以外にあとひと工夫加える必要があります。
ひと工夫といってもたいしたことではありません。基本の茹で方にあると通り、お湯に塩を入れて茹でることでパスタが引き締まるため、こしのあるぷりぷりした食感に仕上がります。ちなみにこれは茹でたパスタから水が出ないようにすることとも関係があります。
しっかりとこしのあるパスタだからこそ、茹でるお湯から引き揚げた後も水分が外に出ません。ですから塩を入れて茹でるのは、パスタにこしをプラスする上でも重要なポイントなのです。
パスタを茹でる時の適切な塩の量・塩加減は?
塩を加えて茹でることが美味しさのポイントなのですが、気になるのは「入れる塩の量」です。実際にレシピをチェックして塩加減を調べても、量については「塩少々」または「分量外」など、あいまいな表現にとどめているものが目立ちます。
ところが塩を加えることで麺に味付けをするのですから、塩加減を間違えると塩味が強いパスタに仕上がりそうで不安になります。では茹でる際に加える塩は、どの程度にするのが適量なのでしょうか?
一般的にお湯2Lに対して20g
パスタの正しい茹で方として比較的よく使われているのが、「お湯の1%を塩加減の目安にする」という一文です。となると2Lのお湯でパスタを茹でる場合には、塩を20g入れて茹でるのが適量といえます。
塩を入れ過ぎてしまったときは
茹でている最中に「どうも塩を入れすぎてしまった」と感じた場合は、そのままの状態で茹で上がった麺をソースに絡めると、全体的に塩辛いパスタになってしまいます。このような場合は、茹でた後で表面の塩味を洗い流す方法がおすすめです。
まず表面の塩味を洗い流すためのお湯を、パスタを茹でている鍋とは別の鍋で沸かします。この時には塩を加えず、完全に沸騰させるようにしましょう。あとは茹でたパスタをザルに上げ、上から準備した洗い流すためのお湯をかけます。
最後にしっかりとパスタの湯切りをすれば、強く味がつきすぎたパスタも、程よい塩味のパスタに修正することが可能です。
パスタを茹でる時に塩を入れないとどうなる?
美味しいパスタに仕上げるためには、塩を加えたたっぷりのお湯で茹でるのが良いことはわかりました。とはいえ塩分を調整したいときなどには、「パスタそのものに塩味を付ける」という目的で塩を使うことはできるだけ避けたいものです。
では茹でる際に塩を入れないと、「味が薄くなる」「水っぽくなる」などの影響が本当に出てくるのでしょうか?
そこまで大きな影響はないかも?
お湯に塩を加えて茹でることを推奨するレシピが多いのですが、塩を入れないで茹でるパスタでも、塩を入れて茹でるパスタとそれほど味に違いはありません。ある実験では、「弾力性のある麺に仕上げるため」とする意見を覆す結果が出ています。
茹でる際に塩を入れないパスタと入れたパスタの弾力性を比較する実験なのですが、結果としてはほとんどその違いが見られませんでした。
また塩味を麺全体に付けるためとする説についても、「そもそもパスタの生地には塩が使われている(塩味がほんのり感じられるのが本来の味)」との意見もあります。
そのため実際には茹でる際に塩を入れないパスタも、塩を入れて茹でるパスタと同じように美味しく仕上げることは可能です。
なお「沸騰したお湯(塩を入れていないお湯)が入った鍋にパスタを入れて茹で直す」という方法もありますが、この方法だと茹で過ぎになる可能性があります。
茹で過ぎると食感が悪くなるだけでなく、小麦粉の風味が失われてしまうので、美味しいパスタとは言えなくなります。
パスタを茹でる時の塩加減はお好みで
美味しいパスタを作るには、やはり茹でる際に塩を入れるのがポイントでした。もちろん塩を入れないで茹でるパスタもそれなりに美味しいですが、パスタ本来の美味しさとは違うので入れるのがおすすめです。
なおレシピに掲載されている塩加減はあくまでも目安なので、好みの塩加減に調整しても美味しく茹でることができます。