マジョラムはソーセージと相性抜群のハーブ！オレガノとの違いや使い方は？

マジョラムはイタリアのみならず、ヨーロッパではとても長い歴史を持ち、長きに渡り多くの国で使われてきたハーブです。マジョラムの歴史はなんと古代ギリシャの時代にまで遡ります。

古代ギリシャや古代ローマにおいて、マジョラムは幸せの象徴とされており、料理以外にもお祝い事の際に使う花冠に使われたり、香りが健康に良いからとお香として使われたりと、使い方は多岐にわたりました。

本記事では、そんな深い歴史を持つマジョラムが現代日本の料理でどのように使われているのかや、マジョラムを使ったおすすめのレシピをご紹介します。

他にも、マジョラムとそっくりなハーブであるオレガノとの違いなど、知れば知るほど楽しくなる奥深いハーブの知識をお届けしていきます。

先ずはマジョラムの基本的な情報をご紹介します。マジョラムは、地中海沿岸地方原産のシソ科のハーブで、冒頭で紹介したようにギリシャやイタリアで使われていました。

楕円形の可愛らしい葉っぱと、小さく白っぽい花が特徴です。夏、花が咲くタイミングで柔らかい先端を茎ごと刈り取り、乾燥させたものが料理用マジョラムとして使われるようになります。

マジョラムはイギリス、フランス、イタリアでは非常にポピュラーなハーブです。一年草なため栽培も比較的簡単であることから、イタリアなどのヨーロッパ諸国では家庭菜園でマジョラムを栽培している家庭も多くあるそうです。

採れたマジョラムは乾燥させて使うこともあるようですが、イタリアでは香りをより楽しむために生の状態でピッツァに乗せる使い方もあります。他にも、フランスでは生のマジョラムの葉を刻んでバターに混ぜ込んでハーブバターを作ったりと、使い方は豊富です。

さらにマジョラムはアロマ用の精油にもなっており、冷えの解消や鎮痛・鎮痙、呼吸器系の炎症緩和といった作用をもたらしてくれる精油として活用されています。

ハーブを使ったことがある方であれば、マジョラムと葉っぱの形がそっくりなハーブ、オレガノはマジョラムとどう違うのかが気になった方もいるでしょう。

オレガノとマジョラムはいわゆる近縁種で、オレガノはコモン・マージョラム、マジョラムはスイート・マジョラムと呼ばれて区別されています。

そしてマジョラムの好みはイタリアとフランスで異なっており、フランスでは甘めの香りとほのかな苦味を感じるスイートマジョラムが好まれて使われており、イタリアでは辛味が強くスパイシーなオレガノが好まれています。

日本でマジョラムを手に入れるなら、最寄りのスーパーのスパイス・ハーブ売り場を見てみると良いでしょう。マジョラムは日本でも知名度の高いスパイスですので、ハウス食品やS&Bなどの大手食品メーカーで乾燥させた物が一般商品化されています。

ハーブの良さにハマったら、自ら栽培してみるのもおすすめです。マジョラムはホームセンターなどでも気軽に苗やタネが入手できますし、ハーブ用の培養土での鉢植え栽培も可能ですので、室内でも育てられます。

高温多湿を避け冬も－5℃を下回らない環境を維持してあげれば一年中楽しめますし、病気にも強めなので育てやすい部類といえるでしょう。

マジョラムはハーブとしてとても様々な効果があります。マジョラムは主に大きく分けて食用とアロマ2通りの使い方があり、それぞれ効果も少なからず変わってきます。

本項では、マジョラムを食用として使った時、アロマとして使った時、それぞれで得られる効果や効能をご紹介します。

マジョラムは食用の場合、臭み消しや香り付けといった使い方が主になっています。羊肉や魚、レバーといったクセの強い臭いが特徴の食材の調理には欠かせないスパイスです。

さらにマジョラムは食材の臭みを消すだけでなく、マジョラムの香りを楽しむ使い方も出来ます。マジョラムは野菜や豆類、特にトマトとの相性が抜群に良いため、スープなどの煮込み料理にも活用されているのです。

さらにフレッシュなマジョラムでハーブティーを楽しむことも可能です。新鮮な摘みたてのマジョラムを細かくカットし、ティーポットに半分くらいのマジョラムと熱湯を入れたら蓋をして3分ほど置くだけです。

スパイシーで清涼感のある味わいが特徴で、消化を促す働きやリラックス効果がありますので、食後のゆったりとしたティータイムにおすすめです。安眠効果や気管支炎を沈める効果もありますので、風邪気味の日のお休み前にもぴったりです。

アロマのマジョラムには心身共に痛みを鎮め、落ち着かせてくれる効果があります。自律神経を整えてくれる働きもありますので、不規則な生活で自律神経が乱れやすい現代社会人におすすめしたいアロマです。

マジョラムの精油をお風呂に1～2滴垂らして入浴するのがおすすめです。血行促進効果が冷えやむくみを取ってくれますので、1日の疲れを癒すのにぴったりです。他にも、アロマスプレーとして寝室に一吹きすれば、ゆったりとしたナイトタイムを楽しめます。

また、マジョラムには抗菌作用や鎮咳作用もありますので、マスクにアロマスプレーを一吹きすれば、良い香りと共に喉の健康維持にも役立ってくれます。

マジョラムの効能や効果が分かったところで、いよいよマジョラムを実際に使ったレシピをご紹介させていただきます。比較的簡単に、しかししっかりマジョラムの魅力が感じられるレシピですので、マジョラムの良さをこれから体験するという方に是非試していただきたいレシピです。

市販のごく普通のソーセージも、ちょっと手とハーブを加えてあげればあっという間にいつもと違う絶品メニューに早変わりします。用意する物は、ソーセージとサラダ油、マジョラム適量、塩胡椒適量です。

ソーセージは一口サイズにカットし、サラダ油をひいて熱したフライパンでカリッとなるまで中火で焼き上げます。程よくソーセージに焦げ目がついたら、マジョラムと塩胡椒をふりかけ、馴染ませるようにサッと炒めたら完成です。

マジョラムと胡椒香る、シンプルだけど美味しい一品です。10分もかからずサッと作れますので、おつまみにも最適です。

他にも、ドイツにテューリンガー、ニュルンベルガーという名前のマジョラムを始めとした複数種のハーブを練り込んだ伝統的なソーセージがあります。

焦げ目がつくまでカリッと焼き上げ、マスタードを付けて食べると絶品です。テューリンガー、ニュルンベルガーを一般的なスーパーで見かけることはほぼありませんが、通販で簡単に入手することも出来ますので、興味があれば是非食べてみて下さい。

マジョラムは肉と併せることで真価を発揮するといっても過言ではないほど、肉との相性が良いハーブです。臭みを消して程よい風味をプラスしてくれるハーブは、いつものお肉をワンランク上の味に仕上げてくれます。

醤油大さじ3、オイスターソース大さじ3と、すりおろしにんにく、そしてタマネギを混ぜた漬けダレに1～2時間漬け込んだ鶏もも肉に、マジョラムやタイム、ローズマリーなどのハーブを振りかけて焼けば、ハーブ香る絶品グリルチキンの完成です。

ハーブを使うことでぐっと見た目も味もお洒落さが上がるので、夕飯やお弁当のおかずにはもちろん、おもてなし用パーティーメニューにしても良いのでおすすめです。

マジョラムは、スパイスとしてもアロマとしても非常に優れたハーブです。しかし、どんなアロマも特定のタイミングや体質によって注意しなければならない点があります。マジョラムは、妊娠・生理中の人や低血圧の人、肌の弱い人は使用を注意しなければならない特性があります。

マジョラムには生理を促進させる成分が含まれているため、生理中や妊娠中に使用すると、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。また、マジョラムには心臓の動きを鎮める効果もあるため、低血圧の人にも悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるのです。

とはいえど、アロマで香りを楽しむ程度であればほとんど悪影響が出ることは無いといわれています。しかし、より体内に精油が入っていきやすい全身マッサージで使う際は、念のため注意した方が良いでしょう。

さらに、マジョラムのようなシソ科のアロマは、比較的肌刺激が強いアロマに分類されます。ですので、肌が弱い方は上記の体質や状態に該当しない場合でも、マッサージなど肌に直接塗布する使い方は避けた方が良いでしょう。

マジョラムは、上手に使うことが出来れば料理を美味しく、心身を豊かにしてくれるとても優れたハーブです。いくつかの注意点こそありますが、入手も簡単ですし、使いやすいハーブですので気になる方は是非生活に取り入れてみてください。