埼玉の隠れたご当地グルメ「すったて」とは？人気の秘密や名店をご紹介

「すったて」とは埼玉県川島町の郷土料理です。すり鉢で胡麻をすり、味噌と混ぜ合わせ、大葉、キュウリやミョウガなどの夏野菜を加えてさらにすります。最後に冷たい井戸水を加えてすったてが完成します。

「すりたて」の胡麻や野菜を食べていたことが、すったてという名前の由来になっています。すったては「つったて」または「冷汁」と呼ばれることもあります。すったてはうどんにかける食べ方をする方が多いですが、ご飯やそうめんにかけて食べる食べ方もあります。

実はすったては、埼玉B級ご当地グルメ王決定戦での優勝を獲得したこともあります。すったては知る人ぞ知る人気なご当地グルメです。胡麻や野菜のすり方や、隠し味の砂糖など、家庭や店によって代々受け継がれてきた様々なすったてがあります。

すったてには、夏の料理として長年受け継がれてきたという特徴があります。古くから埼玉県川島町では農業が営まれていました。すったては忙しい農作業の合間にも手間をかけずに作ることができ、簡単に食べられます。

すったては重労働な熱い夏場の農作業の際、体力の回復や栄養補給のための食事として受け継がれてきた料理なのです。また、川島町では江戸時代より米の生産地として発展し、米の裏作として小麦を生産していました。そのためうどん文化が根付き、うどんとすったてを合わせて食べるようになりました。

古くから受け継がれてきたすったては、農山漁村の郷土料理百選にも選ばれています。農山漁村の郷土料理百選は農林水産省が主催した、国民に広く支持されている郷土料理やご当地グルメを選定するイベントです。

約1700点の候補から約300点にまで絞り込まれ、最終的にはインターネットによる人気投票で99品目の料理が農山漁村の郷土料理百選に選定されました。このことからもすったてはとても人気のある郷土料理だと分かります。

すったての特徴といえば長く受け継がれてきたという点ですが、すったての魅力も先人の知恵に由来します。すったての魅力は、栄養が摂れるうえに食べやすいご当地グルメだという点です。

すったての主な具材は胡麻、味噌、キュウリ、大葉、ミョウガです。味噌は大豆を主成分としており、タンパク質が豊富です。味噌には塩味もあり、汗をかいて失った塩分を補給してくれます。

キュウリはさっぱりとした味なので夏の食欲がない時でも食べやすいです。大葉やミョウガは薬味として使用されることも多い食材で、食欲増進の効果もあります。食べやすく、栄養も摂れるすったては夏におすすめのご当地グルメです。

ここからはすったてのおすすめの名店をご紹介していきます。自宅でも簡単に作れるすったてですが、名店の美味しいすったてを味わいたいという方も多いのではないでしょうか。

埼玉県川島町には美味しいオリジナルのすったてを提供している名店がたくさんあります。今回はその中の二店をご紹介します。

また、すったては夏の料理なのでほとんどの店が期間限定メニューとして提供しています。店によって食べられる期間が異なることもあるので、訪れる前にホームページ等でしっかり確認しましょう。

「だるまや」は川島町のうどんの名店です。メニューはたくさんあり、うどんだけでなく定食などもあります。店内は座敷席とテーブル席があり、落ち着いた雰囲気です。だるまやのうどんメニューには手打ちうどんが使用されています。

だるまやのすったては3種類の味噌とだし汁を絶妙な配分で調合した一品です。すったてのコクのある味わいと艶のある手打ちうどんはとても人気です。また、セットになっている野菜の天ぷらも美味しいと評判です。

「手打ちそば 泉の里」は雑誌やテレビで紹介されたこともある名店です。手打ちそば、手打ちうどん、丼ものなどのメニューが充実しています。泉の里の手打ちうどんは、群馬県産の小麦を使用し、3日かけてつくるこだわりのうどんです。

泉の里のすったては、うどんとそばを選べるメニューになっています。ご飯や天ぷらがセットになったメニューもあります。泉の里ではすったてをお客さんがつくるスタイルです。薬味や味噌、胡麻などが運ばれてくるので、それらをすり鉢で混ぜ合わせ、後から来るうどんと一緒に食べます。

説明書きやスタッフさんからの作り方の説明もあるので、初めての方でも安心してすったてを作れます。お客さん自らすったてをつくるスタイルは味の調節などもできるので人気です。泉の里のすったては、4月1日から10月31日までの期間限定メニューです。

今回の記事では、埼玉県川島町のご当地グルメ、すったてについてご紹介しました。長年受け継がれてきたすったては、食べやすいうえに不足しがちな塩分を摂れるので、夏におすすめです。自宅でも簡単に作れるのでぜひ美味しいすったてを味わってみてください。

※ご紹介した商品やサービスは地域や店舗、季節、販売期間等によって取り扱いがない場合や、価格が異なることがあります。