城崎温泉でカニ料理が自慢の宿11選！フルコースや食べ放題が人気の旅館は？

日本海側沿いの観光拠点、特に漁港や温泉はほぼ間違いなく何らかの「カニ」を名産としています。冬季は「ズワイガニ」夏季は「紅ズワイガニ」などがありますが、名産とする拠点が多いのは確かです。今回紹介する城崎温泉もやはりカニが有名です。

「津居山ガニ」「浜坂（香住）ガニ」「間人ガニ」などのブランドガニ（タグ付きカニ）の「ズワイガニ（松葉ガニ）」や「紅ズワイガニ」が食べられる温泉地としても知られています。城崎温泉へのアクセスですが、例えば大阪からならJR大阪駅から特急に乗車し約2時間40分ほどで着きます。

車だと北近畿豊岡自動車道、または国道483号線経由で約2時間20分です。京阪神からだと日帰りで行けてしまう温泉地です。つまり、利便性が良い城崎温泉はブランドガニが集まるスポットでもあり、さらにカニ料理と温泉が楽しめるおすすめエリアなのです。

「カニ王国」とは、冬季の但馬の代表的な味覚のひとつ「カニ」に感謝し、期間限定で建国される「国」を意味します。11月に解禁される松葉ガニの旬の時期に合わせるかのように城崎温泉にて毎年11月上旬から3月下旬にかけてイベント建国されます。

11月下旬ごろに開催される「カニ王国絶叫大会」をはじめ、城崎温泉街ぐるみでさまざまなイベントが開催され、観光目的やカニ目的で訪れる観光客をもてなします。冬季の城崎温泉ならではの、温泉宿での各種カニ料理はもちろん創作カニ料理なども味わえます。

温泉街食べ歩きグルメも「カニみそソフトクリーム」「カニビール」など創作B級カニグルメも豊富に提供され、Bグルメ好きの視点でも楽しめます。カニを堪能する新たな方法としてもおすすめです。ちなみに「かに王国」の小冊子は城崎温泉観光センターからダウンロードできます。

城崎温泉は、カニと名湯温泉という2つのパワーワードを持ち、派手なイメージがあります。それだけに。観光に訪れた時など、ふと「いつ頃から温泉があるんだろう」と気になることがありませんか。どことなくなく気になるその城崎温泉の歴史をまとめてみました。

629年、足にけがを負った一羽のコウノトリがけがを癒したことがきっかけで発見した城崎温泉の開湯伝説があります。また平安時代に変遷された古今和歌集には「但馬の国の湯へまかりけるとき、二見の浦と云う所にとまりて」と記載されています。

つまり、1000年以上の昔から城崎温泉は有名だったのです。江戸時代になると、温泉医学をまとめたといわれる香川修徳により「城崎温泉の新湯が日本一」と推奨されます。そして城崎温泉の名前は一気に知られることとなり、その人気に伴い多くの温泉宿が作られました。

その後、湯治の湯として長きに渡り栄えます。古くから多くの作家や書家により贔屓にした温泉地でもあり、志賀直哉が病気療養中に執筆したとされる「城の崎にて」は特に有名です。

717年、城崎へ訪れた道智上人が、難病の人々を救う目的で当所鎮守四所明神に祈願し、明神の神託にて千日間の修業をします。その功徳があってお湯が沸き出たことが城崎温泉のすべての始まりです。

その後道智上人は、720年に城崎に温泉開湯しています。また道智上人が738年に開創した古刹が「温泉寺」です。その後、奈良の大和長谷寺の観音像と同木で制作したという、由緒正しい観音像を入手し温泉寺を開創しています。

難病の人々のための湯治の湯として有名になります。古くから城崎温泉の管理権は温泉寺にあり、温泉寺縁起帳などかつての城崎温泉歴史を今に伝える貴重な宝物が多く残っています。

「みんなで選ぶ温泉大賞」などのような温泉地ランキングが現在も発表されることがあります。意外にも、江戸時代から同じような意図の「温泉番付」があり、その頃から西の関脇として城崎温泉が選ばれていました。当時の相撲番付に横綱はなく大関が最高位とのことです。

また、西の大関は有馬温泉であり城崎温泉はその次に番付けされており、すでに江戸時代から城崎温泉が人々に支持されていたのがうかがえます。ちなみに「みんなで選ぶ温泉大賞」最新版（執筆時は第11回）では、城崎温泉は西の大関に選定されています。

まず「海内第一泉」は「かいだいだいいちせん」と読み、その「海内」とは「四海（天下、世界）の内」や「国内」を意味します。「第一泉」とは言葉の意味そのままで、「最も泉質が良い温泉」を意味します。

つまり「海内第一泉」は、江戸時代当時「国内で一番泉質が良い温泉は城崎温泉」とされていたことを表現した言葉になります。ちなみに1962年に建碑された「海内第一泉」の碑は城崎温泉街にある外湯のひとつ一の湯の横に所在し、医師で放射線医学者だった藤浪剛博士による書とのことです。

城崎温泉の温泉旅館は冬季になるとカニ料理をイチ押しとする宿が増え、中にはカニ刺しが楽しめる場所もあります。その絶品カニ刺しがあるおすすめ旅館を紹介します。

城崎温泉でカニ料理でも特に「カニ刺し」がおいしいと大人気温泉旅館の1つが「城崎温泉 夢こやど 天望苑」です。公式サイトの一文に「半透明のカニ身を冷水に放すと一瞬で花が咲いたように身が広がる」を意味する、カニ刺しを表現する一文が掲載されています。

カニ刺しを筆頭としたカニ料理プランをおすすめとしており、特に「満腹かにフルコース」が一番人気とのことです。カニ刺し、焼きガニ、カニすき鍋、カニ天などのカニ料理がコースに組まれた、正にカニのフルコースです。

カニ味噌甲羅焼きなどのカニ料理も楽しめます。「柴山ガニ＆セコガニ付のカニフルコース」や「カニ＆牛肉のコース」などのカニ料理コースがおすすめです。また朝食の有無や岩盤浴付きや貸切風呂付など細かいコース設定があるのも特徴です。

カニの食べ放題や日帰りプランは用意されていません。温泉旅館までのアクセスですが、JR城崎温泉から町内マイクロバス（無料）での移動になります。チェックインの時間は15:00、チェックアウトは10:00です。

城崎温泉でも南部に所在し、山によって三方を囲われた閑静な場所に立地する人気温泉旅館が「湯楽 Yuraku Kinosaki Spa&Gardens」です。宿のオーナーが仲買人であり競り人資格所持者のため新鮮食材が豊富に揃うことでも知られています。

もちろん松葉ガニ解禁前に「香住蟹（紅スワイガニ）」にフルコースでの提供も有名です。春季から漁が行われ「紅ズワイガニ」は、「松葉ガニ（ズワイガニ）」よりも身がフワっとしている食感が特徴です。

しかも鮮度が落ちやすい食材ながら、温泉旅館「湯楽」は生で紅ズワイガニが食べられるレアなグルメスポットなのです。もちろんカニ刺しなどにも十分期待できます。香住カニを潤沢に使ったカニ尽くしプランも用意しており、心行くまでカニを堪能できるはずです。

カニ食べ放題は設定されていませんが、約10種もの日帰りプランも設定されているので、京阪神などから気軽に利用できます。アクセスですが、JR城崎温泉駅から徒歩約20分の場所にあります。チェックインの時間は15:00から19:00、チェックアウトは10:00です。

城崎温泉においてカニのフルコースは、これ以上ないくらいの冬の城崎鉄板グルメと言い切っても良いでしょう。そのカニのおすすめ人気フルコースがある城崎温泉の旅館たちを紹介します。

JR城崎温泉駅からほぼ駅前、外湯「さとの湯」から徒歩3分という立地にある「和みの宿 おおかわ」は、津居山漁港からの海鮮や地産地消の野菜や但馬牛などが味わえる料理・温泉旅館です。カニ解禁の時期となると、一気に提供メニューもカニ料理一色に染まります。

お値段もそれなりになりますが、自慢のフルコースでもすべて活カニの「2人で3杯スペシャルプラン」や、津居山ガニのカニ刺しが付いた松葉ガニフルコース、おおかわ名物「気合の松葉ガニフルコース」など、カニフルコースだけで3種類用意されています。

1人に１匹1kg相当の松葉カニが2匹つく「フルコース」が名物としています。一方で、コースが食べ切れない人のための「お好きにMyメニュー（カニ料理限定）」コースもあり、胃の大きさに合わせたカニのコースが選べる点が特徴的です。

温泉旅館までのアクセスですがJR城崎温泉駅から歩いて約5分の場所にあります。チェックインの時間は15:00、チェックアウトは10:00です。日帰りプランは設定されていません。カニの食べ放題もありませんが、カニのフルコースはかなりボリュームがあるので十分堪能できるでしょう。

「やなぎ荘」はJR城崎温泉駅から徒歩圏内に所在しています。公式自ら昭和の雰囲気満載の「ボロ宿」と自虐気味に紹介していますが、何ら問題なく利用できる城崎温泉にある料理・温泉旅館です。むしろ、高級宿の独特な雰囲気が苦手な人におすすめです。

この温泉宿のカニフルコースの最も大きな特徴としては「カニかまくら」が付くことでしょう。カニかまくらとは、活松葉カニ1匹をそのまま特殊な塩に硬め絶妙なタイミングで焼き上げた、いわばカニの塩釜焼です。やなぎ荘のカニコースにおける「焼きガニ」にあたる逸品です。

この「カニかまくら」目当てのリピーターも多い唯一無二の人気名物カニ料理です。初めてこの温泉旅館でカニフルコースを楽しむなら、外せない一品です。また「柴山ガニ」が食べられるコースやカニと但馬牛とが堪能できるコースなど多彩にコースがそろっています。

また、カニの食べ放題や日帰りプランは設定されていません。「やなぎ荘」までのアクセスですが、JR城崎温泉駅から歩いて6分の場所にあります。旅館組合無料乗合送迎もあります。チェックイン時間は15:00から19:00、チェックアウトは10:00です。

さまざまな食べ方があるカニ料理でも、「やはりカニすき鍋！」を真っ先に挙げる人が一定数います。冬季に味わう料理としては確かに最強です。その人気のカニすき鍋で有名な城崎温泉のおすすめ温泉旅館を紹介します。

貸切風呂が人気の「川口屋 本館」ですが、城崎温泉にある温泉旅館らしく冬季はしっかりとカニ料理が提供されています。焼きガニ、カニ刺し、カニすき鍋と豊富にある中、川口屋 本館を有名にしているのは「カニすき鍋」に付きます。

コースの名前も「蟹すきフルコース」、カニ刺しに茹でカニ、焼きガニにカニ天ぷらに甲羅みそ、そして「カニすき大鍋」の全6品で構成されているコースです。またその「カニすき鍋」に特化したお手軽日帰りプランも用意されています。

それだけでも「カニすき鍋」に力を入れているのが分かります。もちろん温泉利用も可能なので、近隣からのカニ実食と日帰り温泉におすすめです。川口屋 本館までのアクセスですがJR城崎温泉駅から徒歩で約8分、温泉地の中央に所在しています。

チェックイン時間は基本的に14:30から17:30、チェックアウトは10:00ですがプランによって違いがあるので注意が必要です。カニの食べ放題はありませんが、逆にカニすき鍋を堪能したい時におすすめです。

「森津屋」は、名物とする洞窟風呂が有名な温泉旅館です。また、夏季の平日に毎晩行われる花火大会の会場まで数秒という立地にあります。夏季の懐石料理に冬季のカニ料理が基本ですが、特にカニすき料理をはじめとした鍋料理が充実しています。

カニコースでも「カニすき鍋」を中心としたコース設定のプランが多く、平日限定プランの「森津屋かに鍋コース」に至っては20000円でお釣りがくる価格で楽しめるので、かなりコスパが良いカニすき鍋プランともいえます。

日帰りプランがかなり充実しています。「かに鍋コース」から「かにすき鍋フルコース」、但馬牛ステーキがセットされたコースなど全6プランが用意されています。また日帰りプランは食事のみのプランのため、温泉利用の場合は別途料金が必要です。一方でカニの食べ放題はありません。

最寄駅から温泉旅館までのアクセスですがJR城崎温泉駅から徒歩で約6分です。チェックイン時間は基本的には15:00、チェックアウトは10:00ですが、プランによって設定されている場合があります。コスパが良いカニ料理が食べたい時におすすめです。

「月本屋旅館」は、城崎温泉街の中心部に宿を構えています。もちろん温泉もありますが、提供する料理に定評がある料理旅館です。冬季においては、特にカニを使った料理が有名です。

漬物とデザート以外の料理にすべてカニを用いた「カニづくしコース」、そのカニづくしコースに茹でカニ1匹が付いたDXコース、12品で構成された「山海うまいもん会席コース」に別途茹でカニ1匹が付いたDXコースなどが、コースとして提供されています。

いずれもカニすき鍋はひとり鍋で提供されます。過去に「かにすきプランとあつあつ雑炊」が用意されていたので、カニすきでも有名な旅館ともいえます。気になる人は「月本屋旅館」に問い合わせしても良いでしょう。

温泉旅館までのアクセスですが、JR城崎温泉駅から組合共同バスの利用が可能です。チェックイン時間は15:00から18:00まで、チェックアウトは10:00です。カニの食べ放題および、日帰りプランはありません。

「津居山ガニ」とは兵庫県豊岡市に所在する津居山漁港に水揚げされる「松葉ガニ」を意味します。「間人ガニ」と共に人気の高級ブランドガニとされる逸品ですが、そのブランドガニを使った料理が食べられる城崎温泉旅館のおすすめを紹介します。

「但馬屋」は、地産地消の食材にこだわり四季の旬に応じた但馬や城崎の味を提供する料理旅館です。最近では珍しい部屋食で、カニのフルコースなどの食事が楽しめます。冬は特に「津居山ガニ」にこだわっています。

「津居山ガニ」関連コースだけでも、「津居山活ガニしゃぶしゃぶ」「津居山ガニ&但馬牛」「津居山ガニ本生フル」「津居山活ガニかにすき」などのコースが用意されています。「津居山ガニ」にこだわるなら「但馬屋」はおすすめです。

別途「松葉ガニ」でも「津居山ガニ」関連コース同様に用意され、予算と人数によって選べます。また、大浴場はありませんが丹波屋は3つの貸切風呂があることでも大人気です。そのような意味ではカップルや家族向きの温泉旅館ともいえます。

温泉旅館までのアクセスですが、JR城崎温泉駅から徒歩13分です。チェックインの時間は15:00から18:30まで、チェックアウトは10:00です。ちなみにカニの食べ放題や日帰りプランは設定されていません。

「喧噪の隠れ家 月のしずく」は、「津居山カニ」と貸切温泉をゆっくりと静かに楽しみたい人におすすめです。城崎温泉街から奥に入った場所にある、「お子さま同伴お断り」を打ち出している、大人のための温泉旅館です。

カニの旬でもある冬季は、「津居山ガニ」や「松葉ガニ」を用いた多岐に渡るカニ尽くしコースが提供されています。月曜から木曜までの平日限定の「カニすきプラン」を筆頭に「懐石コース」や、但馬牛とのコラボの「よくばりプラン」などが設定されています。

そのカニプランコースは「茹でガニ」「カニ刺し」「焼きガ二」など、食べ放題張りに思う存分楽しめるコース内容です。また、朝夕食共に部屋食でゆっくり楽しめるのもうれしいサービスです。

温泉旅館までのアクセスですが、JR城崎温泉駅から徒歩10分の場所にあります。チェックイン時間は15:00から17:00までチェックアウトは10:00です。カニの食べ放題や日帰りプランは設定されていません。

情緒ある柳並木で有名な太鼓橋の川が宿の前で広がる「城崎温泉 網元の宿 蟹宿むつの屋」は、家庭的な雰囲気が人気の温泉旅館です。近隣には温泉巡りに最適なメイン通りがあり外湯巡りを楽しみたい人にも最適です。

11月から3月までのカニの時期は、「津居山ガニ」でも特大サイズのものを贅沢に使った「津居山ガニコース」が提供されます。他には全12品で構成された「松葉ガニフルコース」もあり、まさにカニ三昧なコースに浸れます。屋号に「蟹宿」が付いているのは伊達ではありません。

2名ごとにゆでガニが1匹、別途もう1匹をカニ刺しやカニすき鍋などに使われます（2名で松葉ガニ、または津居山ガニが2匹も使用される計算になります）。 タグ付きカニが食べられる最適な場所ともいえます。ちなみに食べ放題は設定されていません。

カニ以外にも地物野菜がおいしいという声も多く食材にこだわる感じる人気の蟹宿ともいえます。温泉旅館までのアクセスですがJR城崎温泉駅から徒歩約10分です。チェックインの時間は14:30、チェックアウトは10:00です。

城崎温泉には他にも、カニが味わえる旅館が多くあります。さまざまなブランドカニがいろいろな調理法で存分が楽しめるグルメスポットなのです。カニのフルコースとはいえ、例外なくボリューム絶大なので食べ放題のような満足感や充実感が得られるはずです。

温泉好きでカニ好きなら、迷わず1度足を運ぶべき人気温泉地ともいえます。1度に温泉も食べ放題のようなカニ料理も効率よく楽しみたいなら、城崎温泉をおすすめしますがいかがでしょうか。